- "ネットワーク対戦のための"シューティングゲーム

最初から通信の遅延と勝敗とを切り離したゲームをデザインすることはできないだろうか?
プレイヤーが互いに動き続けながら、直接相手を倒すタイプのゲームだと、通信のロスが累積するために、勝敗の信頼性が低くなる。
そのために、オフラインで動くゲームシステムを作って、後からネットワークに繋げたのでは、それだけで面白さが目減りしてしまう。
私たちは、未だにネットワーク対戦のためだけに生まれたシューティングゲームを見たことがなく、通信ロスに目を瞑るか(数多くのネットワークゲームが、それでも名作だと言われるほど熱中できるものだって事は認めるが、いずれにせよ堪え難いほど理不尽な時がある)、もしくは光回線があまねく平等に敷設され、通信ロスを考えなくとも上手くいく世界が来るのを待ち続けている。
自然な形じゃない。そんな夢のような世界は思い描くほど早くは訪れない。


通信の遅延が、勝敗に全く影響しないゲームとはどんなものかと言えば、プレイヤー毎のターン制を持つボードゲームの類が真っ先に思いつく。通信の為の時間を必要なだけ取り、その空白のフェーズの終わりをプレイヤーがじっと待つタイプだと言える。
これを対戦シューティングに適用すると、つまり、定まった時間の間、交互に相手の行動を止める必要があるってことだ。
"ジョジョの奇妙な冒険"で、主人公とDIOが相手の時間を止めながら戦ったみたいに。


そうすると、攻撃のルールも、単体で設置した瞬間に相手へのヒットが確定するような弾は使うことが出来ないことになるけど、
単に弾が動き出す前に避けられるだけの入力可能時間があれば良く、折り重なって設置されれば何とか王手にも出来るくらいのバランスで、考えられる限りのバリエーションの砲台をぶっこんでいって、相手の設置した砲台を破壊しながら、相手を詰めていくように攻撃を設置していくゲーム、というのはどうだろう。


ただし、シューティングゲームの肝には、人間の知覚の限界を試す所がある。
全部見てから避けられるのなら、それはシューティングじゃない。知覚の背後から撃ち落とされる緊張感が必要だ。